「火災共済」という商品をご存じでしょうか。日本にはいくつかの共済組織がありますが、それらの共済が提供している火災保険のようなサービスを火災共済といいます。

実は保障の対象となる災害も同じで、被害を受けたときにお金を受け取ることができるというのも同じです。それでは両者の違いは何なのでしょうか。

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利益を求めるかどうか

最も大きな違いは運営母体と運営母体の考え方です。まず保険の方はご存じの通り、損保会社が提供しています。損保会社と言っても、大きな括りでは一般の株式会社と変わりませんので、利益を求める営利団体と言うことができます。

一方で共済は非営利団体によって運営されています。例えば有名どころだとJA共済は農林水産省によって所管されていますし、全労済なら厚生労働省の所管となっています。

加入しているみんなでお金を出して、加入者の中で困っている人を助けるという考え方ですので、利益を求める必要はないのです。

契約のイメージが異なる

契約の形も異なります。保険は契約者と損保会社が1対1で契約を結びます。その契約内容に基づいて、損保会社が契約者に保険のサービスを提供しています。

しかし、共済は運営母体が中心となって加入者をまとめているという形式になります。もちろん契約自体は加入者と運営母体が1対1で行いますが、イメージ的には1対1というよりは加入者みんなで契約を共有しているような形になります。

保険の方がより細かいニーズに応えられる

契約内容に関しても違う点があります。

前述の契約の形に関係している部分でもあるのですが、保険の場合は1対1で契約を結ぶため、契約者が比較的自由に補償内容を設定することができます。

自動車保険のようにリスク細分型となっているものが多いため、自分に不要だと思う項目は外すこともできるのです。

逆に共済はみんながほぼ同一の共済という商品を共有しているため、個人個人が自由に補償内容を設定することはできません。

そのため、ある意味シンプルにまとまっているとも言うことができます。掛金(保険で言うところの保険料)が比較的割安で済むことが多いというのも特徴です。

保険の方が保険金が下りやすい

大工さん・工務店・リフォーム会社など、住宅や火災保険に関する業者に話を聞くと、「火災保険の方が火災共済よりも保険金(共済金)が下りやすい」という意見が大多数です。

正確な理由は分かりませんが、民間企業である保険会社は顧客満足度も非常に重要視するため、共済団体よりも加入者に寄り添ったサービスを提供することができるのかもしれません。

もちろん共済もしっかりと共済金を支払っていますが、自動車関係の業者や弁護士に聞いても、「自動車保険の方が自動車共済よりも支払いのスピードややり取りが優れている」と言いますので、やはり共済よりも保険の方がおすすめと言わざるを得ません。

火災共済は地震保険に加入できない

火災共済の場合は地震保険に加入できないため、もともと地震の被害が保障対象となっていたり、自然災害共済を火災共済に付帯することで地震もカバーするという形になります。(参考:地震共済とは?地震保険との違いを比べると、やっぱり地震保険がおすすめ

表記(漢字)の違い

当サイトでも意識的に表記を正しておりますが、被害を受けた際、保険は「補償」、共済は「保障」という表記が一般的です。

読み方が同一であるうえ、「お金を受け取る」という行為も同じであるため、とても紛らわしいのですが、漢字の表記は異なるのです。

ただ、ホームページや雑誌などでもよく間違って表記されることがありますので、さほど気にする必要はないでしょう。

その他の細かな違い

他にも以下のような細かな違いがあります。

  • 火災共済は剰余金が返戻金として返ってくることがある
  • 火災共済は一年更新が中心で、十年単位のような長期一括契約ができない
  • 火災共済は火災保険一括見積もりサービスで見積もりを取ることができない

主な火災共済

JA共済の建物更正共済

ここからは実際にどのような商品が取り扱われているのか、ご紹介したいと思います。まずはJA共済です。

JA共済が扱っているのは「建物更正共済 むてき」という商品です。火災保険と同様に、建物や家財に補償を付けることができるほか、火災を始めとした自然災害で死傷した際にもお金を受け取ることができます。

JA共済の「建物更正共済 むてきプラス」では建物と家財についてそれぞれモデルパターンを見ることができるほか、自分の場合はどれくらい掛金が必要になるのかを確認することもできます。

全労済の住まいる共済

全労済は厚生労働省が運営母体となっている生協です。正式名称は「全国労働者共済生活協同組合連合会」と言います。

全労済では「自然災害保障付火災共済」という名前で商品を販売しています。こちらは一般的な火災共済に自然災害共済を付けたタイプの商品で、幅広い災害についてカバーすることができます。

全労済の「自然災害保障付火災共済」では掛金のシミュレーションができるほか、各自然災害について最大でいくらまで保障されるのか、などといったことをチェックすることができます。

県民共済の新型火災共済

東京には都民共済が、北海道には道民共済が、大阪と京都には府民共済が、そして全ての県をカバーしている訳ではありませんが各県には県民共済が存在します。これらは全て全国生協連という組織が母体となって運営されている共済です。

各共済では、住宅と家財の損害に備えるための「新型火災共済」という商品を用意しています。

コープ共済の火災共済+自然災害共済

コープ共済は終身医療や終身生命などといった様々な保障を手がけている共済です。1980年代から複数の生協がコープ共済の事業を展開していましたが、2008年にコープ共済連が誕生して一元化されました。

家の保障は「火災共済+自然災害共済」という商品が担当していて、各種自然災害などを含む幅広いリスクに対応できます。

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